2018.02.26News
カメルーン、ガイアナ、ナイジェリアへ初の寄贈が実現
2018.07.12 News
2018年5月11日に毎日メディアカフェでCSRセミナー「みんなで"AKARI"アクション〜無電化の地域へあかりを届けよう」が開催されました。当日の様子をお伝えします。
セミナーではまず、Life With Dignity (LWD)への寄贈をサポートした一般社団法人日本福音ルーテル社団(JELA)のローウェル・グリテベックさんが、ソーラーランタンが寄贈先に及ぼす影響を定量的に調査した結果を報告してくださいました。
「カンボジアでは、首都プノンペンは電化率が100%に達する一方、国全体ではわずか24%しかなく、無電化地域で暮らす人々は灯油や薪を燃やして明かりを得ています。
調査を行った地域では、光源として53%が電池、39%が灯油を使用していました。しかし、火事や健康被害の恐れがある他、平均月収が72ドルしかない中で、4~7ドルがエネルギーに消えてしまい、家計を圧迫しています。
ソーラーランタンを寄贈した家庭では、1日平均3.2時間が使用され、子どもの学習時間は平均2.2時間増加しました。家庭のエネルギー支出は月3~4ドルになり、率では約50%削減されました。
節約されたお金の44%は教育、40%は食料に使われ、子どもの成績向上や健康状態の改善にもつながっています。パナソニックとの連携は、NPO/NGOが企業のCSRプログラムと協力できるよい事例になったと思います」
続いて、これまで寄贈したソーラーランタンがどのように役立っているのかを確かめに2017年にミャンマーを訪れた、3名のパナソニック社員ボランティア特派員から報告がありました。(視察の詳しい様子は報告レポートをご覧ください)
ここでは当日発表した報告スライドの一部をご紹介します。
特派員からは最後に今回の視察を得て感じたこと、今後に向けた意気込みが語られました。
「昨年9月、社内公募で集まったメンバー6人がミャンマーに行きました。職能、経歴はさまざまです。2日間で3カ所を訪れました。夜に勉強をする子ども、郷土料理を販売する女性、学校の先生などソーラーランタンの利用者に話を聞き、明かりに対するニーズを強く感じると共に、無電化地域の人々が抱える課題解決の一助になっていることに喜びを感じました。この経験を生かし、世界の方々への貢献につなげたいと思います」(新延悠太さん)
「日本とミャンマーでは、明かりに対する認識、役割が違うと感じました。日本では快適性が求められていますが、ミャンマーでは、安心感が求められています。地域によって需要が違うと感じました。この人は照明をどう使いたいのか、海外ではこの商品はどう受け取られるのかといった視点を大切に、現地で求められているものを提案し、生み出していける人間になりたいと思います」(松尾朋子さん)
「テレビの設計開発を担当しています。商品開発に活かせないかと思い、特派員になりました。ソーラーランタンには長い電源コードがついていて、充電のために太陽光パネルを屋根に置いても、家の中にランタンを置いたままにしておくことができるので安心です。エンジニアが現地でヒアリングをする中で、盗難の心配を減らすため、コードを長くしたと聞いています。今回の訪問を通じて改めて、技術者として、現地主義を徹底することの重要性を感じました」(久米広宣さん)
パナソニックのソーラーランタン10万台プロジェクトは2018年1月で終了しましたが、今年新たに2つの取り組みをスタートしました。1つは、「無電化ソリューション」。より規模の大きなパワーサプライステーションの寄贈や人材育成を通じて、地域コミュニティの自立につながる活動に取り組んでいます。
もう1つが、無電化地域への支援の輪を広げる「みんなで"AKARI"アクション」です。一般の方からも広くクラウドファンディングや、古本・ディスクによる寄付を募り、明かりを届けていきます。
現地の人々が自分たちの力で立ち、進んでいくための支援を、今後も続けていきます。