ソーラーランタンを国連開発計画(UNDP)に寄贈。エボラ出血熱感染地域の大きな支援に

2015.08.31 News

2015年7月、パナソニックは国連開発計画(UNDP)に、西アフリカ3か国(ギニア、リベリア、シエラレオネ)でのエボラ出血熱感染地域の復興支援として、3,000台のソーラーランタンを寄贈しました。これは2014年12月の240台に続く寄贈になります。

こんにちは、CSR・社会文化部の田中典子です。

2014年3月、ギニアでの発症を発端に西アフリカを中心に流行し、2015年7月1日までに27,000人以上が感染したエボラ出血熱。ピーク時に比べ感染者数は大幅に減ったものの、今も新たな感染が報告されています。

感染地域では、患者の治療や効率的な予防策を迅速に実施するために、昼夜問わず支援が続けられています。しかし、多くの医療現場は無電化地域であり、夜間の活動には安定した明かりが必要とされています。また、罹患した患者の所持品は感染を予防するためにすべて廃棄処分されます。回復後、新たなスタートを切ろうとしても、生活に必要な明かりすらなくなってしまうのです。そのような状況を聞き、エボラ出血感染地域の復興支援のために、当社からUNDPにソーラーランタン計3,240台を2回にわたり寄贈しました。

また、ソーラーランタンは、感染で仕事を失った生存者や一家の大黒柱を失った家族にも配布され、日常生活で役立てられています。

各国の現場で活用されているソーラーランタン

ギニアでは、1,000台のソーラーランタンが配布されました。ソーラーランタンは、エボラ出血熱の感染拡大を防ぐために隔離されているギニア南西部フォレカリア県の一部地域で、生計に必要な資源がほとんどない世帯の人々に利用されます。

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支援物資の到着を視察する中野直継駐ギニア日本国特命全権大使

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引渡式の様子

シエラレオネでは、47のコミュニティでソーラーランタンが配布されました。無電化地域で暮らし、11人の子どもの母であるアリス・マラーさんは、「それまでは子どもたちの勉強用の明かりの電池代が高く、困っていました。でもソーラーランタンを使うようになり子どもたちが毎晩、好きなだけ勉強ができるようになって喜んでいます」と話していました。

Solar lanterns guide students despite Ebola in Sierra Leone

Solar lanterns guide students' efforts to learn despite the rising cost of energy during Ebola crisis in Sierra Leone.United Nations Development Programme - UNDP in Sierra Leone

Posted by United Nations Development Programme - UNDP on 2015年7月13日

沿岸の町グラフトンに住むウィズダム・カルグボ(24)さんは「従来の古いライトでは電池の入手が困難でした。パナソニックのソーラーランタンが来てからは、明かりを囲んで2、3人が座ることができ、勉強もしやすくなりました」と語っています。

リベリアは、終息宣言の2カ月後に再度新たな感染が確認され、拡大を阻止する取り組みとして、多くの家庭が隔離されました。そこで、首都があるモンセラード郡の隔離対象の世帯に対しソーラーランタンが届けられました。ギニアとの国境にあり被害が大きかったボング県の支援でも、ソーラーランタンが活用される予定です。

ソーラーランタンは、現地で活動する医療関係者や、エボラ出血熱の影響で不自由な生活を余儀なくされている人々の活動や生活の一助となっています。一刻も早い流行の終息を願っています。