ミャンマーの無電化村へ「パワーサプライステーション」を設置(三井物産株式会社様)

2016.10.04 News

今年6月、ミャンマーのマグウェイ地域のインマジャウン村の生活改善を目的に、タイ王国のMFL財団(Mae Fah Luang Foundation under Royal Patronage)が、パナソニックの太陽光独立電源パッケージ「パワーサプライステーション」を設置しました。このプロジェクトは、三井物産株式会社のCSR活動の一環としてMFL財団の活動趣旨に賛同し拠出された寄付金のもとに実現されました。

こんにちは。CSR・社会文化部の浅野明子です。

パワーサプライステーションが設置されたミャンマーのマグウェイ地域のインマジャウン村は、旧都のヤンゴンから車で約9時間のところにある、約140世帯が暮らす無電化集落です。同村を含めた周囲の29の村で、寄贈先であるタイ王国のMFL財団が支援活動を行っています。

この地域には、ラッセルクサリヘビという致死性の猛毒を持った毒ヘビが生息しています。毎年多くの被害者が出ており、村人たちの命を脅かしていました。毒ヘビにかまれても、すぐに血清を打てば助かります。しかし、この地域には電気が来ていません。冷蔵保存が必要な血清を保管するため、MFL財団のヘルスワーカーがいる8つの村には、太陽光パネルを使った自作の簡易冷却装置があるのですが、装置が故障することもしばしば。血清の保冷にはつねに不安がありました。

電気のおかげで、血清の安定供給が可能に

パワーサプライステーションは、太陽光発電と蓄電技術をひとつにした独立電源システムです。太陽さえあれば電気をつくることができ、村に安定して電気を供給することができます。それによってまず、夜は街路灯がともるようになり、毒ヘビを心配せずに夜道を歩くことができるようになりました。

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LED電球を使った街路灯

村の集会所には冷蔵庫も設置され、MFL財団と村の責任のもと、毒蛇用の血清を安定して保冷・品質管理することが可能になりました。周囲の村で血清が必要になったときや簡易冷却装置が故障した際にも、すばやく供給できるようになったのです。

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血清は、集会所の冷蔵庫の中で保管されています。

そのほかにも、村人が利用する集会所にはテレビや扇風機が設置され、子どもの勉強会や読経会が開かれるようになるなど、村のコミュニティの活性化にも役立てられています。

今回の設置は、三井物産株式会社様のCSR活動の一環として実現しました。同社より、「無電化村の集会所に電気が通じたことで、集落の自立自走への第一歩につながります。パナソニックには、日本を代表する電器メーカーとして、こうした良い商品を今後も世に出して欲しい」とコメントをいただきました。

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集会所に集まって勉強する子どもたち

これからも、パワーサプライステーションのような太陽光発電・充電の技術を活かした製品の販売や寄贈活動を通じて、電気のない生活を送る人々が直面しているさまざまな社会課題の解決に向けて、企業間で連携しながら取り組んでいけたらと思います。ご一緒いただける自治体や企業の方は、Take Actionページからお気軽にお問い合わせください。

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