南アフリカ、スワジランド、レソトへ初めての寄贈

2017.04.14 Field Report

初めてとなる南アフリカ、スワジランド、レソトへのソーラーランタン寄贈。本プロジェクトのゴールである2018年への思いがつながり実現しました。

こんにちは。CSR・社会文化部の田中です。

2017年3月22日、パナソニックは、南アフリカ、スワジランド、レソトの各国で活動する団体にソーラーランタンを寄贈しました。その寄贈式典に参加するため、南アフリカのヨハネスブルグを訪れました。

世界都市として成長する都市部と、発展から取り残された農村部

南アフリカといえば、皆さん何を思い浮かべるでしょうか。今回訪れた都市ヨハネスブルグは、国内一位の経済規模を誇り、アフリカでもっとも発展している地域です。一方でインフラ整備が整っていない農村部とは大きな格差があり、現在も800万人を超える人々が電気のない生活を送っています。

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降り立った国際空港は近代的で、ここからは電気のない生活は想像できません。

南アフリカは、アパルトヘイト(人種隔離政策)撤廃と民主政権の発足により、対話による人種対立解決と融和の象徴の国とされています。今回、寄贈式典の会場となったネルソン・マンデラ財団は、反アパルトヘイト運動を主導した人物として著名なネルソン・マンデラ氏の活動を推進するために設立されました。

残りの2つの寄贈先であるスワジランドとレソトは、南アフリカの内部に位置する王国です。国際エネルギー機関が発表しているWorld Energy Outlook 2016によると、スワジランドの電化率は65%、レソトにおいては17%となっており、その生活環境はいまだに厳しい状況にあります。

それぞれの100年の思いで実現した寄贈

2013年にこの世を去ったマンデラ氏ですが、2018年は、その生誕100年にあたります。同じく100周年を迎えるのが、アフリカ最古の日本の在外公館であるケープタウン領事館。またパナソニックも創業100周年を迎えます。そうした節目の年に向けての思いがつながり、今回の寄贈が実現しました。ソーラーランタンは、子どもたちの教育やコミュニティの女性グループの活動で活用されます。

寄贈式典には、南アフリカの政府関係者や、廣木 重之駐南アフリカ日本国大使らにご臨席いただきました。

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南アフリカ、スワジランド、レソトの3カ国の寄贈相手先団体の代表と

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ネルソン・マンデラ財団CEOのハッタン氏は、「明かりを届けることで人々の生活が大きく変わる。当財団はそうした変化をコミュニティとともに祝福していきたい」と述べました。

「ソーラーランタンの明かりで煙から子どもたちを守ることができます」

人々の暮らしを見るために、ヨハネスブルグから飛行機で1時間、そこからさらに車で2時間のところにある村を訪れました。幹線道路沿いには電気が通っていますが、少し離れた民家には電線が伸びていません。女性たちは、明るいうちになるべく家事を済ませるようにしているそうで、薄暗い家の中では、灯油ランプや薪などを明かりとして使っていました。

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室内にいると次第に目が痛くなり、5分も耐えられないほどの煙たさでした。煙による健康被害は深刻で、呼吸器系の疾患で亡くなる人も多くいます。

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「ソーラーランタンの安全な明かりのもとだと勉強もはかどりそう」とうれしそうに話していました。

パナソニックは、ソーラーランタンの寄贈はじめ、これまでもアフリカの無電化地域における社会課題の解決に取り組んできました。今後も、アフリカ諸国への持続可能な発展に向けて貢献していきます。