2017年度の寄贈は、バングラデシュからスタート!

2017.07.25 News

2017年7月、バングラデシュで子どもたちの教育支援を行うe-Educationに、ソーラーランタン504台を寄贈しました。同団体への寄贈は、今回で2回目となります。

日本の4割ほどの国土に、約1億5940万人が暮らすバングラデシュは、近年、豊富な労働力と潜在的な市場規模が注目され、急速な経済成長を遂げています。

一方、全人口の約半数を占める農村部の人々の生活は貧しく、教育やインフラなどあらゆる面で、都市部と農村部の格差が広がっています。電化状況においては、農村部の電化率は55%と低いのが現状です。

高校生の未来を明るく照らすソーラーランタン

今回2回目の寄贈となるe-Educationは、途上国の子どもたちの教育支援を行うNGOです。バングラデシュの農村部では教師が不足しており、また電気が通っていないと夜の勉強時間も限られてしまうため、教育水準が低いのが問題となっていました。

そこでe-Educationは、都市部の予備校講師の授業映像を農村部の高校生に提供する活動を行っています。映像授業のおかげで、ダッカ大学をはじめとする国内トップクラスの大学へ多くの生徒が進学できるようになりました。

寄贈から1年たった村から届いた生徒たちの声

2016 年3月に寄贈したソーラーランタンは、首都ダッカから船で6時間のところにある、人口約14万人のハムチャー村に配布されました。この村の教育レベルはバングラデシュ国内で最も低く、識字率は25.4%で、国内平均の70%と比べるとかなり低い数値です。洪水などの自然災害が多いこのエリアには、電気が通っていません。夜はほとんどの家庭で灯油ランプが使われていますが、貧しいため燃料代にかけられるお金も限られており、生徒たちは勉強したくても思う存分に勉強できない環境にあります。

こうした状況をふまえ、村の中でも特に貧しい家の高校生にソーラーランタンが配布されました。

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ハムチャー村にある Bajapti R.M. 高校にランタンを寄贈した時の様子

「ソーラーランタンは、素晴らしいギフトです。」

6歳の時に父親を亡くし、現在はお母さんと兄弟の4人で暮らしているAkhiさん。母親の収入だけで暮らしており、灯油ランプの燃料費にかけられるお金も限られているため、暗くなると勉強することができませんでした。ソーラーランタンがある今は、夜でも勉強ができるので、宿題をきちんと提出できるようになりました。

また、父親が日雇い労働者として働いているMomin Hossain君も、夜、家で勉強ができるようになり、「ソーラーランタンは素晴らしいギフトです」と喜んでいます。

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ソーラーランタンを使っている生徒の家では、兄弟も一緒に勉強できるようになりました。

より多くの高校生が明かりの下で勉強できるように

前回の寄贈から約1年。ハムチャー村の生徒のほとんどが「ソーラーランタンのおかげで、毎日の生活が大きく変わりました」と話していて、ランタンの明かりが生徒の笑顔とやる気の源となっているようです。

また、ソーラーランタンがあると、灯油ランプの燃料代がかからず、家計への影響も大きいという声もありました。今後も、ソーラーランタンの明かりが人々の暮らしにどのように役立っているのか、現地からの報告が楽しみです。