【Voice】フィリピン:教育・医療の現場を支える明かり

2019.07.18 Voices

2017年、社員の福利厚生制度「カフェテリアポイント」による寄付で、日本赤十字社の協力のもと、ソーラーランタンを寄贈したフィリピン赤十字社からレポートが届きました。

こんにちは、フィリピン赤十字社のNorwina D. ECLARINALです。

フィリピンは、国全体の電化状況は良くなっているものの、農村部や山間部、小さな島々では、まだ電気がない、または電気の供給が安定していない地域があります。今回は、そうした地域が点在しているフィリピン北部・ルソン島のオーロラ州、ヌエヴァ・ヴィスカヤ州と中部のセブ州でのソーラーランタンの活用についてご報告します。

夜の安全・安心をサポート

ソーラーランタンは、オーロラ州、ヌエヴァ・ヴィスカヤ州、セブ州の小学校や診療所などで使用されているほか、夜道を歩く際にも活用されています。

セブ州では、警察や地元の自治体担当者が夜、ソーラーランタンをもって村のパトロールを行っています。台風がきたときは、ソーラーランタンを避難所に置いて、調理や夜間の見回り、携帯電話の充電などに使用されているそうです。

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夜道をソーラーランタンで照らして帰路につく地域保健ボランティア(ヌエヴァ・ヴィスカヤ州)

あかりとしてだけでなく充電器としても活用

オーロラ州の小学校では、校長先生がノートパソコンを使って教師向けの授業計画やレポートを作成しているのですが、停電になると作業ができなくなり困っていました。今ではソーラーランタンのあかりがあるので、停電中も作業を続行することができ、また、パソコンの充電にもソーラーランタンを活用しているそうです。

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ソーラーランタンがあれば、時間を気にすることなく宿題のチェックや授業準備ができます(セブ州)

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屋内での活用例。ソーラーランタンは、あかりと充電器の両方の役割を担っています(オーロラ州)

分娩や救急医療になくてはならないあかり

ソーラーランタンは、保健医療の現場でも活躍しています。オーロラ州の助産師は「この地域の電化状況は、まだ不安定で停電が多いので、分娩や急患対応時にソーラーランタンのあかりがあり、とても助かっています」と話していました。

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ソーラーランタンのあかりのもと、新たな命が誕生しています(ヌエヴァ・ヴィスカヤ州)

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ソーラーランタンを使いながら、救急車のエンジンの確認・清掃をおこなっています(ヌエヴァ・ヴィスカヤ州)

今回ご紹介した地域では、村人のみなさんが心の底から、ソーラーランタンの寄贈に感謝の気持ちを表していました。ソーラーランタンのあかりによって、人々の生活がどのように変わっていくのか、とても楽しみです。本当にありがとうございました!