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パナソニックでは、ソーラーランタン10万台プロジェクト以外にも無電化地域の課題解決に取り組んでいます。太陽光パネル、蓄電池、エネルギーマネジメントシステムをひとつのパッケージにした「パワーサプライコンテナ」のODA活用もそのひとつ。インドネシアの離島の小学校への設置プロジェクトについて、代表者である飯田享さんにお話を伺いました。
こんにちは、パナソニック株式会社エコソリューションズ社の飯田享です。
7月17日(木)、インドネシアの首都ジャカルタの東に位置するカリムンジャワ島のカリムンジャワ国立第一小学校で、パワーサプライコンテナの引き渡し式を開催しました。
当日は全校生徒168名と教師、ジェパラ県知事や在インドネシア日本国大使館公使など来賓の皆様が集まり、盛大にセレモニーがとり行われました。
「パソコンの教材だと、おもしろいし、わかりやすいね!」
「扇風機が回ると涼しいね。勉強をもっと頑張れそう!」
パワーサプライコンテナから校舎に電気が通ると、子どもたちの喜びの声が響き渡りました。
約13000の島々からなるインドネシアは、大規模な発電所や配電網の設置が難しいため、電化が進みにくい離島エリアが多くあります。そのような地域でこそ、簡単に設置・移動できるパワーサプライコンテナを活かしてもらえるのではと思い、今回カリムンジャワ島を設置先に選びました。
ジャワ島中部の港町、ジェパラからスピードボートで約2時間のところにあるカリムンジャワ島には、約8800人・2500~3000世帯が暮らしています。電気は、夜間のみディーゼル発電機を使って供給され、日中は使えないため、島民はさまざまな課題を抱えていました。
中でも、子どもたちの教育環境は同じ県の中の村と比較して格差がありました。照明がないので雨季の教室内は暗く、教室に設置された天井扇も止まったまま。暑くて薄暗い教室の中では、子どもたちは集中して授業を受けることができません。また、電気のある地域では行われている、パソコンやプロジェクター、音響設備などのマルチメディア機器を使ったわかりやすい授業ができないため、学力レベルでこの地域は県内で最下位となってしまっている、と先生も肩を落としていました。
子どもたちの未来のために、電気があるほかの地域と同じ学習環境を整えてあげたい、その思いから、今回小学校への設置を決めました。
授業は、朝7時過ぎから12時頃まで。パワーサプライコンテナによって電気が通れば、明かりや天井扇が使えるようになります。また、パソコンなどの機材も一緒に設置しましたので、それらを使って、充実した授業を行えます。これで勉強の効率が何倍にもアップすることでしょう。
このプロジェクトはODAの「草の根・人間の安全保障無償資金協力」を活用した官民連携案件に採択されています。1年間でプロジェクトは終了してしまうため、再生可能エネルギーの導入を通じてコミュニティ開発を行っているNGOのIBEKA(イベカ)に力をお借りしながら、設置して終わりではない、地域の方々が自ら持続的に運用・維持していくための体制づくりにも取り組んでいます。
具体的には、授業のない時間帯に発生する余剰電力を近隣の屋台村をはじめとした地域コミュニティに売電して、コンテナ維持のための電池交換などの資金を賄うというものです。基本的な運用や管理は地元の方々で設立した電気管理組合に任せる形にしました。
パワーサプライコンテナは、まずはこのカリムンジャワ島で運用を重ね、将来的には他地域にも展開していきたいと考えています。工場で製品検査を行ってから出荷するので、安定した品質を確保できますし、メーカーとしてのサポートも行って、安心してお使いいただける製品として、地域の重点拠点や行政施設、店舗などで使っていただきたいですね。
今回の設置を第一歩として、無電化地域の人々の暮らしの向上に貢献できるよう、これからも積極的に取り組んでいきます。
※パワーサプライコンテナの詳細はこちらからご覧ください。
パナソニック株式会社 エコソリューションズ社 |