2018.07.12News
【開催報告】毎日メディアカフェCSRセミナー「みんなで AKARI アクション」
2017.12.26 News
2016年度の公募寄贈プログラムによって初めて寄贈が実現したハイチ。教育分野を中心に20年にわたり支援を続けている寄贈先団体Haiti Committee, Our Lady Queen of Peace Catholic Churchのメアリー・スーザン・カーソン博士が、現地の様子を報告してくださいました。ソーラーランタンは、電気のない農村地域を支える大きな力となっています。
こんにちは、米国・ヴァージニア州にあるOur Lady Queen of Peace Catholic ChurchのHaiti Committee代表を務めているスー・カールソンです。私たちはハイチ共和国のメドールという町のセント・ジョセフ教区の教会と共に、教育、健康保険、環境、コミュニティ開発の分野の支援を20年以上続けてきました。
みなさん、ハイチはどこにあるか知っていますか? 人口約1000万人の小さな国であるハイチは、キューバの南西のカリブ海に浮かぶ島国で、東にドミニカ共和国と国境を接しています。報道で耳にしたことがあるかもしれませんが、2010年の大地震、2016年のハリケーン直撃など、度重なる災害に見舞われています。
このような影響もあり、ハイチが抱える貧困の問題は深刻です。私たちが支援している約192平方キロメートルの面積のセント・ジョセフ教区には、下水道システムがなく、電気も通っておらず、道路も郵便システムもありません。水道も通っていないため、水汲みには10km近い山道を歩く必要があります。
メドール・コミュニティには、数台のソーラーパネルが設置されており、教会、中学校のコンピュータ室、教区司祭館、修道院、病院に電気が供給されていました。しかしそれ以外の電源はありません。寄贈されたソーラーランタンは、学生たちにとって、何よりもうれしい贈り物となりました。
メドール小学校の校長、シスター・ナミデさん。「教室は日中でも薄暗いことがあるので、子どもたちが字を読みやすくなり助かっています。」
地元の中学校の生徒たち。ソーラーランタンを手に笑顔で撮影に応じてくれました。
ソーラーランタンは現在、地域の5つの小学校、1つの中学校と学生寮、2つの病院で使用されているほか、地域活動でも活用されています。
ハイチで大学に行くためには、13年生の時に合格率がとても低い国立試験に合格する必要があります。生徒たちは自分の将来のため、そして、地域の発展のために、高等教育を受けることがとても大切だと分かっているので、勉強への意欲がとても高いです。しかし、夜は明かりがなかったため「ソーラーランタンが欲しい」と希望を出し続けていました。現在は4台のソーラーランタンが、「夜も思いっきり勉強したい」という生徒たちの願いを叶えています。
ランタンの明かりのもとで受験勉強に励む生徒たち
ソーラーランタンは、コミュニティで行われているアグロフォレストリー(森林農業)でも活用されています。苗木の育成に取り組むチームのリーダーの1人は「ボランティアの人たちが夜明け前や夕方暗くなってから活動する際、ソーラーランタンが役立っています」と話してくれました。
ソーラーランタンは持ち運びもしやすいので、野外での活動にも便利です。
今回訪れた先々で、多くの方々が「とても役立っている」「ありがとう」と本当に嬉しそうに話していたことが印象的でした。ハイチの農村部の無電化地域では、ソーラーランタンは本当に大きな存在です。ありがとうございました。