ラオス:初の寄贈が実現。ランタンの明かりで教育環境を改善

2018.01.11 Field Report

2017年11月、認定NPO法人アジア教育友好協会(AEFA)を通じて、ラオスへの初寄贈が実現しました。AEFAは、2016年度に実施した公募寄贈プログラムで選ばれた団体のひとつです。団体スタッフの方と一緒に、サラワン県タオイ郡にある学校や村の人々に直接ソーラーランタンを届けてきました。

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こんにちは。プロジェクトメンバーの奥田です。

今回の寄贈先のAEFAは、アジアの将来を担い、未来を作る子どもたちの育成を目指す団体です。地域住民と一体になった学校建設と運営を通じて教育環境の改善に取り組み、ラオスではこれまでに80校を建ててきました。

ソーラーランタンの配布先となる山岳少数民族の居住地域に暮らす人々は、農業と食料採集による自給自足の生活を基本としています。しかし近年では、コーヒーなどの作物を生産して収入を得るようになった地域もあれば、ゴムやバナナなどのプランテーション開発で耕作地を失い生活が難しくなっている地域もあるなど、貧富の差が広がってきています。多くの村では電気が通っていない、または電柱はあっても、電気を引き込むお金がなく電化が進んでいません。

子どもたちの未来の可能性を広げる「教育」への思い

とくに村で大きな課題となっているのが教育です。山岳地帯にある僻村には学校がいまだになく、あったとしても手作りの掘立小屋のような建物で、子どもたちが安心して十分に学べる環境が整っていません。村人たちは、このような状況に危機感をもち、次の世代を担う子どもたちには「自分たちとは違う未来の可能性を拓いてほしい、それには教育しかない!」と強い思いをもってAEFAの学校運営に関わっています。

川を歩いて渡り、目的の無電化村へ

今回は日本からソーラーランタンをハンドキャリーで持ち込むというミッションがあっため、大荷物での移動でした。パークセー国際空港から、車で約3時間半、途中には大きな川があり、車では渡れないため、荷物を担いで歩いて川を渡りました。

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滑って転んでランタンを落とさないよう足元に注意しながら進みます

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ブオンナム中学校でのセレモニー

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ララ村の方々にソーラーランタンの使い方をラオス語と、少数民族の言葉で説明。ここでは村の集会や行事のために活用されます。

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ブオンナム中学校の教師たち。「暗くなっても、次の日の授業の準備ができるので助かります。大事に使います」

ソーラーランタンは、教師と生徒が共同生活を送る寮でも活用されます。生徒たちは、「それまでは懐中電灯の小さな明かりしかなかったので、みんなで体を寄せ合って本を読まなければならず不便でした。ソーラーランタンがあれば、夜でも勉強したり友だちと話したりできます」と喜んでいました。

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村人たちが作ったピコ中学校の校舎(左)と寮(右)。電気がないため、ソーラーランタンが貴重な明かりとなっています。

今回、苦労して現地に届けたこともあり、いつも以上に村人の方々が喜んでくれているように感じました。初めて訪れたラオスですが、とても思い出深い地となりました。ソーラーランタンの明かりが、子どもたちの未来がよい方向に変わっていくきっかけとなることを願っています。