「みんなで"AKARI"アクション」に参加して。海外ボランティア特派員レポート

2019.03.30 Field Report

「みんなで"AKARI"アクション」の一環で、カンボジアのコンポンチャム州を視察した海外ボランティア特派員4名が、3日間の視察を通じて現地で感じたことを紹介します。

パナソニックは、2018年1月に完遂した「ソーラーランタン10万台プロジェクト」に続き、2018年3月から、寄贈の輪を広げてみなさんと一緒にあかりを届ける活動「みんなで"AKARI"アクション」をスタートしました。2019年2月、社内公募で選ばれた海外ボランティア特派員4名が、カンボジアの「JHP・学校をつくる会」を訪問し、村人たちとの対話から感じたことをそれぞれが振り返ります

「繋ぐ」役割を果たすソーラーランタン

識字学校に通う村人たちに「識字学校を修了したら何がしたいですか?」と質問すると、「わからない」と首を傾げる方が大半でした。実際に村を訪れ村人たちの生活の状況を見ると、毎日を生き抜くのに必死で、「読書を通じて未来を思い描く」ことのない村人たちにとって将来を夢見ることは困難だと知り、はっとしました。ところが、識字学校を修了した女性たちは、「もっと仕事を増やしたい」と目を輝かせながら未来の展望を話してくれました。「文字が読めない時は初めての場所に行くことさえ怖かった」という彼女たちは、文字を身につけたことで自信を持てるようになり、具体的な夢を思い描けるようになったのです。

また、村人たちがソーラーランタンを活用するのは、例えば、家族のために食事を作る時、親子で一緒に勉強する時、親戚を訪問する時、さらに家族の収入を補うため夜中にも仕事をする時などでした。自分自身のためだけにあかりを使うのではなく、お互いを助け合うためにあかりを活用していました。ソーラーランタンは、小さいながらも大きなライフラインの役割を果たしていると感じました。

今までソーラーランタンについても、電気のない生活についても具体的に想像することができませんでした。しかし村人たちと触れ合ったことで、「あかりを届ける」という行動が、村人たちを明るい未来へと繋ぐ大きな力になると気が付きました。これからは、現地で目の当たりにした生の情報や素直な感情を一人でも多くの方に伝え、村人たちが様々な「繋がり」を持てるよう、力になり続けたいと思います。(大前友香さん)

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「彼らは私たちと何も変わらない」ということを伝えていきたい

世界に対する見方が変わった3日間でした。
今までどこか「別世界の住人」のような遠い存在に感じていましたが、実際にお会いすると別世界でもなんでもなく、同じ世界を生きている普通の人たちでした。

特に印象的だったのは現地の方々の生活です。
私は「日の出とともに起き、日の入りとともに寝る」というような原始的な生活を想像していたのですが、現実はまったくそうではありませんでした。彼らは街灯もない暗闇の中、蛇や動物に遭遇する危険を抱えながら懐中電灯のわずかなあかりを頼りに生活をされていたのです。私が想像していた以上に、ソーラーランタンのあかりを必要としていました。

今回の視察では、現地の方々がソーラーランタンのあかりで真剣に勉強している姿や、家族と幸せそうに笑いあっている姿など、彼らの日常をメインに撮影してきました。

今後はそういった写真や、インタビューで聞いた内容を発信することで、より多くの方に「彼らは私たちと何も変わらない」ということを伝えていきたいと考えています。そして、この「みんなで"AKARI"アクション」を通して、私たちができることを一緒に進めていきたいです。(藤本諒さん)

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無電化地域での生活に役立つ製品を開発したい

無電化の村で暮らす人々は、米作りと、やぎのように痩せた牛を育てて生計を立てていました。決して楽な生活ではないはずですが、どの方も真面目に、ひたむきに、前を向いていました。今この瞬間を一生懸命生きているという思いが痛いほど伝わってきました。我々はつい先のことをいろいろと考え、ネガティブな発想をしがちですが、今日を充実して生きることの大切さを教えられた気がします。

欲しい電化製品は何かと尋ねたところ、テレビでも冷蔵庫でもなく、みなさんの答えは "あかり"でした。決して贅沢を求めるのではなく、ただ必要なことだけを考え、毎日精一杯生きておられるのだと思います。

電機メーカーで働く者として、いろいろと考えさせられました。これまで、より豊かな暮らしを実現するためどんな製品を開発すべきかを考えてきました。そもそも電気があるのが当たり前でした。今回の特派員経験を通じて、自分の視野や価値観がいかに狭いものであるか気付きました。電気のない地域で暮らす人々の生活に役立つ製品を開発すべき。そう思うようになりました。

人として、社員として、本当に貴重な体験をさせていただきました。今後の活動に活かしていきたいと思います。(田中正和さん)

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「みんなで"AKARI"アクション」の活動をより多くの人に知って欲しい

社員の寄付で灯すことができたあかりを、しっかりとこの目に焼き付けてくることができました。

今回訪問したカンボジアは、1970年代のポル・ポト政権時代に起きた学識者・教育者の虐殺の影響で、特に農村部における識字率の低さが問題となっています。実際、今回の主要な視察先である識字学校では、簡単な読み書き・計算の習得が中心で、生徒の中には「小学校4年生までしか学校に通えなかった」、「そもそも学校に通ったことがない」という方もいました。

そのような状況の中、生徒のみなさんがソーラーランタンのあかりのもと、食い入るように教科書を見つめ、勉強する姿に、"あかりがあること"がいかに当たり前でないかを実感しました。「ビジネスを拡大したい」、「字が読めるようになって自信が持てた」と笑う顔も、「字が読めなかった時は騙されてばかりだった」、「どうやったら山積みの問題を解決できるか分からない」と話す悲しげな顔も忘れることができません。

しかし、水や医療、衛生に犯罪......。無電化地域における問題は山積みです。今の私にできることは、一人でも多くの方に、このような現状と「みんなで"AKARI"アクション」の活動を知ってもらうこと。身近なところからコツコツと発信を続け、どんな形であれ、一歩踏み出してくれる方が増えてくれればと願っています。(金子香平さん)

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みなさんも、私たちと一緒にあかりを届けませんか?
「寄付」を通じて未来を照らすあかりを届ける「みんなで"AKARI"アクション」の活動詳細はこちらからご覧ください。