【Voice】寄贈団体からの便り〜日本赤十字社〜

2014.08.19 Voices

東アフリカ地域で支援活動を行っている日本赤十字社から、便りが届きました。ソーラーランタンによって、人々が人生に希望の光を見出すことができているそうです。

パナソニックの皆様

こんにちは。日本赤十字社 国際部、東アフリカ地域代表の五十嵐真希です。

ウガンダ、ブルンジ、ケニアの三カ国でソーラーランタンを活用させていただいています。現場を訪ねて回ると、現地の人々の反応に、明かりの持つ影響力の大きさを改めて実感しました。その様子をお伝えします。

ウガンダ:保健所や病院で活躍する明かり

2008年まで長年続いた内戦の爪痕が残っているウガンダ北部において、日本赤十字社は二つの事業をおこなっています。一つはアチョリ地域の保健所での母子保健事業。もう一つは、アンボロソリ医師記念病院に医師、薬剤師、看護師のチームを派遣し、人命救助と現地の医師等のトレーニングを行っています。これらの保健所や病院で、夜間の出産や手術、回診、問診の際にソーラーランタンを活用しています。

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各県の行政や赤十字の支部と相談し、必要性の高い保健所に配布しています。

アンボロソリ医師記念病院で活動している沖一匡先生からは、次のようなコメントをいただきました。

「現地の病院ではベットサイドに日本のように明かりはありません。緊急患者が搬入された時など、処置をする際にソーラーランタンは非常に役立っています。また、夜間には停電が度々起こります。手術の時でも真っ暗になってしまいますが、ソーラーランタンのおかげで、滞りなく継続することができ助かっています。」

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手術中の沖先生。手元をソーラーランタンで照らし、夜間の気管切開手術を安全に終えることができました。

ブルンジ:厳しい生活を送る帰還民の希望の光に

ブルンジでは、2006年に内戦が終わり、難民として国外で暮らしていた人々が帰還民として戻ってきました。その人たちは、全く何もない状態からの生活を送らなければなりません。このような最も脆弱な人々の自立をいかに支援するかが大きな課題です。

寄贈先である、帰還民の多く暮らす村では、日没から就寝まで、子どもたちの勉強や調理、家族の団らんや食事にソーラーランタンが毎日大切に使われていました。中には、日中ソーラーパネルを家の前に置いて盗難にあわないように交互に見張りながら充電している家庭もありました。

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現地赤十字社の職員による説明を熱心に聞く、寄贈先家庭のお母さんと近所の皆さん。

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夜でも本が読めるようになりました。

ケニア:世界最大の難民キャンプに寄贈

ケニアでは、およそ40万人が暮らす世界最大のダダーブ難民キャンプでソーラーランタンを配布しました。

ソーラーランタンにより、子どもが夜に勉強できるようになっただけでなく、夜に外のトイレに行く際に女性が性的暴力にあうリスクを軽減し、安全・安心の提供につながっています。

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ソーラーランタンの寄贈をとても喜んでくださいました。

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スーダンからの難民の女の子たちは、「夜に勉強ができるようになった!」と喜んでいます。

今回、現場を視察し、寄贈を受けた人たちの心の底からの笑顔や感謝の言葉を聞き、明かりのもたらす影響の大きさを再確認しました。

明かりはチャンスがなかった人にチャンスを与える「希望の光」になります。今後も、良い成果がご報告できるように、現地の赤十字社の方々と共に、がんばっていきたいです。