【Voice】寄贈団体からの便り〜シェア=国際保健協力市民の会〜

2014.09.30 Voices

カンボジアの寄贈先団体の1つで、保健医療分野の活動を行うシェア=国際保健協力市民の会様から、現地でのソーラーランタン活用の声が届きました。

パナソニックの皆様

こんにちは。シェア=国際保健協力市民の会のカンボジア事務所地域保健専門家の尾崎里恵です。寄贈いただいたソーラーランタンは、プレイベン州スバイアントー郡保健局が管轄する17カ所の保健センターに配布し、住民への保健医療の現場で使わせていただいています。

保健センターでは、夜間診療時の明かりとして活用

寄贈先のひとつ、メボン保健センターは、スバイアントー郡の中心部から車で45分ほど離れたところにあります。この地域は、最近ようやく電気が供給されるようになりましたが、電圧が不安定で、今でも停電が多く発生しています。そのため、予防接種用のワクチンや医薬品は、現在もガス冷蔵庫で保管されています。

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メボン保健センター

ソーラーランタンのおかげで、安心して夜間の出産介助や診療に対応できるようになり、保健センター長からは、「夜勤の時間を報告書作成などにも効率的に使えるようになった」とうれしい声をいただきました。

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ソーラーランタンを手にする保健センターのスタッフ

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分娩室には電灯が設置されていますが、停電も多く、夜間はソーラーランタンが活躍しています。

夜道の安全確保や携帯電話の充電で、安定的に医療サービスを提供

ソーラーランタンは保健ボランティアの安全確保にも役立っています。保健ボランティアとは、患者と保健センターをつなぐ橋渡し役です。各村で2名設置されており、患者の付き添いなど医療サービスのサポートを行います。

メボン保健センターから徒歩で1時間ほどの農村で活動する保健ボランティアは、次のように語ります。「夜間、患者を保健センターへ送り届ける際、街灯のない夜道では蛇や犬に噛まれたり、ぬかるみにはまったりと、移動がとても不安でした。しかし、ソーラーランタンはとても明るいので、安心して患者を連れて行くことができるようになり、大変助かっています」。

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保健ボランティアが活動する村は、雨季になると、未舗装の道は水溜りやぬかるみができて歩行困難な状態になります。

この保健ボランティアが暮らす村には電気が通っていないため、ソーラーランタンは携帯電話の充電にも活用されています。

携帯電話は、村で出産や救急患者が出た際、保健センターとの連絡手段の一つとして重要な役割を果たしています。これまではバッテリーにつなげて充電するなどの苦労があり、ソーラーランタンによって充電が簡単になりました。電池切れでつながらないということもしばしばでしたが、昼夜を問わず住民とスタッフ間の連絡手段を確保でき、連携を強化するのにとても役立っています。

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保健ボランティアの自宅。日中は夜に備えて充電が欠かせません。

このように、ソーラーランタンは、夜間の明かりとしてだけでなく、コミュニティと保健センターの連携を支えるうえでも大きな役割を果たしています。今後も住民により安定した医療サービスを提供できるよう、有効にソーラーランタンを活用して参ります。