【Voice】寄贈団体からの便り〜国際赤十字・赤新月社連盟(IFRC)カンボジア事務所〜

2015.01.15 Voices

災害発生時の緊急支援や防災対策、災害後の中・長期復興支援などに取り組む国際赤十字・赤新月社連盟(IFRC)のカンボジア事務所様からソーラーランタンの活用状況に関するレポートが届きました。

パナソニックの皆様

こんにちは。IFRCカンボジア事務所で地域計画サポートコーディネーターを務めるLAK Mony Rasmeyです。
皆様から寄贈いただいたソーラーランタンは、私たちの活動場所であるコンポントム州、クラチエ州、プレアヴィヒア州の約180家族900人以上の人々に活用されています。

「子どもと過ごす時間が増えた」

近年世界各地で相次いでいる洪水や干ばつといった自然災害は、ここカンボジアでも例外ではありません。2011年8月の大洪水では一時160万人以上の人が避難生活を余儀なくされました。なかでも、貧しく自然環境の影響を強く受ける農村地域の人々の生活は、災害によってさらに厳しくなっています。

私たちは、災害直後の緊急支援活動にはじまり、現在、地域の復興を見据えたさまざまなサポートを続けています。ソーラーランタンは、私たちが支援活動を続けてきた3つの州で、大規模自然災害によって生活基盤を損なわれた最も脆弱な人々の生活水準向上に活用されています。

コンパクトでどこでも持ち運べるソーラーランタンの用途は多様。あらゆる場面で利用されています。たとえば、家事や農作業などに追われる母親たちは、それまで日が暮れると真っ暗闇のなかで調理などをしていましたが、明るくなったことで家事がはかどり、子どもとの時間も増えました。ある母親は「夜、赤ん坊に母乳を与えるときの明かりとしてとても役に立っている」と言います。

また、ある日、夜真っ暗のなか牛車にひかれる事故にあって怪我をした村人がいましたが、ソーラーランタンの明かりのおかげで、包帯を巻くなどの適切な処置を施すことができたそうです。明かりがなければ、傷は悪化していたかもしれません。

20150115_ifrc_2.jpg

女性の仕事を助けるソーラーランタン

20150115_ifrc_1.jpg

子どもたちの夜の自宅学習にも役立っています。

太陽光の力を利用して新しいビジネスを

ソーラーランタンが人々の生活を変える事例も出てきました。

食料品を扱う小さなお店では、それまで灯油ランプを使っていたため、午後6時半には閉めていました。今は、ソーラーランタンのおかげで、営業時間を午後8時半まで延ばしています。おかげで近所の人たちは暗くなってからも買い物できるようになり、お店の収入も増えたそうです。

また、携帯電話の充電もできるソーラーランタンの仕組みを利用して、地域の人々に向けて新しいビジネスを始めた人々もいます。農村地域でも広く普及している携帯電話を充電するためのお店を開き、1日3000~5000リエル(約84~145円)の売上を上げ、その一部で、村の貧しい人々に食べ物を支援しているそうです。

ソーラーランタンは、自然災害によって生活基盤を損なわれながらも前に進もうとひたむきに生きるカンボジアの人々を照らし、その生活改善に役立っています。