【Voice】インフラ整備での活用~れんげ国際ボランティア会~

2015.06.30 Voices

ミャンマーで学校建設や教育支援を続けるれんげ国際ボランティア会から、ソーラーランタン活用についてのレポートが届きました。ランタンは、真っ暗だった夜の闇を照らすだけでなく、人々の生活をより豊かにするインフラ整備にもつながっています。

こんにちは。れんげ国際ボランティア会(ARTIC)ミャンマー代表の平野喜幸です。パナソニックから寄贈いただいたソーラーランタンは、私たちの活動先である、ミャンマー南西部のエーヤワディー管区にある5つの無電化村で活用されています。

明るい夜を手に入れた村の人々

ミャンマーの旧首都ヤンゴンから西に車で約3時間の距離にあるエーヤワディー管区は、東南アジアを代表する大河エーヤワディー川の広大なデルタ地帯にあり、この国最大の米作地帯です。

今回ソーラーランタンを寄贈した村人の多くは、豊かな自然の下、農業を営んでいます。電気が来ていない無電化村では、暗くなるとロウソクやバッテリーの明かりに頼るしかなく、夜の時間にできることは限られていました。
村の人たちは、今回の寄贈をとても楽しみにしてくれていたようで、各村で行われた寄贈式では、嬉しそうな表情でソーラーランタンを受け取っていました。

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寄贈式では、村人たちに直接ソーラーランタンを手渡しました。

数ヶ月後、使用状況を確認するために各村を訪れると、「おかげで夜が明るくなった」「子どもたちの夜間の学習に役立っている」「家族団らんの時間が増えた」「それまで使っていたロウソク代がかからなくなった」と喜びの声がたくさん寄せられました。携帯電話の充電にも利用でき、充電が完了するとランプが消えて知らせてくれるのも使いやすいと好評でした。

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ソーラーランタンの明かりの下、家族の団らんの時間が増え、家事もはかどるようになりました。

電気料金を集めて村の開発資金に

ソーラーランタンの明かりは、村の夜を明るくするだけでなく、インフラ整備にもつながっています。ソーラーランタンの利用者から電気代として集めた積立金で基金をつくり、道路や学校施設の整備などに役立てられているのです。

たとえば、モフービン県のザチェ村では、利用世帯一軒につき毎月3000チャット(約330円)を電気料金として集め、積み立てた資金でバイク用のコンクリート道路をつくっています。村人たちは、家の垣根を60cmずつ後ろに下げるなど道路の拡張に協力し、5月までに350メートルの道路が完成しました。11月までには760メートルまで拡張する予定です。

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拡張されたバイク用のコンクリート道路

そのほか、ヒンダダ県のレッパンズアナウ村では診療所を、シュエピーズ村では学校の門を、ガピョードー村では道路を、チェインジョン村では学校のフェンスを整備する計画があります。

ソーラーランタンの光は、村に明かりをもたらしてくれただけではなく、自分たちの力で生活を良くしていこうとする住民たちの意識を高める後押しにもなっています。

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パナソニック アジアパシフィック ミャンマー支店長の前田恒和さんが村人たちの様子を見に訪ねてきてくれました。

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ソーラーランタンのある生活について聞くと、笑顔でこたえるガビョードー村の女性たち