【Voice】学校や診療所、避難住民の生活支援にも活用:フィリピン社会事業団

2015.12.04 Voices

フィリピンで貧困撲滅の取り組みや、社会開発の支援をおこなっているフィリピン社会事業団(PBSP)からレポートが届きました。国内267以上の企業がメンバーとなっているPBSPは、海外のNGOや政府、企業との連携にも積極的で、今回のソーラーランタン寄贈につながりました。

パナソニックの皆さま、こんにちは。フィリピン社会事業団(PBSP)のガリバルデ・アルヴィン・エンリケスです。
寄贈いただいたソーラーランタンは、フィリピンのミンダナオ島にある、イスラム教徒ミンダナオ自治地域(ARMM)と最西端にある都市サンボアンガの無電化地域で活用しています。4つの医療施設と41の学校にソーラーランタンが配布され、8000人以上の学生、1300人以上の医療関係者・患者に役立てられています。

20151127_PBSP_1.jpg

ダバオのPBSPのオフィスでおこなわれた寄贈式の様子。

自治体からの要請で避難住民に明かりを提供

2015年4月にソーラーランタンが配布されたミンダナオ島のARMMにあるワオ町のヘルスセンターでは、ヘルスワーカーが夜間に活動するときの照明として使用する予定でした。しかし、2015年4月末に選挙戦に絡んだ銃撃事件が発生。その影響で、多くの人が自宅を離れ、電気のない地域での避難生活を余儀なくされました。そこで自治体からは「避難している人々にソーラーランタンを貸し出して欲しい」と要請を受け、応じることに。とくに、ストレスを抱えながら避難生活を送っている妊婦や子どもたちにとって、ソーラーランタンの明かりは、大きな安心感を与えたそうです。

その後、状況が安定して帰宅可能になった6月下旬頃、ソーラーランタンは返却され、当初の予定通りヘルスワーカーたちが夜間の診療時に活用しています。現場からは、「夜間も安心して治療することができる」と好評のようです。

Magsukol(ありがとう)パナソニック!

学校へのソーラーランタンの配布は、盗難を避けるため、夏休み明けの9月におこなわれました。ARMMのタウィタウィ州の5校と、ミンダナオ島南部のコトバト市では、ARMM教育省と地元で活動する団体ルマッド・ディベロップメント・センターの協力で、先住民族の住む無電化地域にある33校にソーラーランタンが配布されました。ARMM教育省の次官補からは「教室に十分な明かりが灯るようになったおかげで、授業をしやすくなります」と喜びの声をいただいています。

20151127_PBSP_3.jpg

タウィタウィ州で開かれた寄贈式の様子。子どもたちが手に持っている紙には" Magsukol Panasonic Japan" と書かれています。"Magsukol"とは現地の言葉の1つであるタウスグ語で「ありがとう」という意味です。

ザンボアンガ市では、44個のソーラーランタンが離島にある3校に配られました。そのうちの1校シブクトック小学校は、先生も生徒も周辺の島からボートで毎日通学します。島には電気が通っておらず、天気の悪い日や陽が落ちてくると、教室が真っ暗になり、勉強を続けるのが大変な状況でした。ソーラーランタンを設置したことで、生徒たちは勉強を続けられるようになり、やる気も増しているようです。

20151127_PBSP_4.jpg

(写真左)ボートで通う子どもたち。(写真右)ソーラーランタンの明かりのもと、子どもたちは熱心に勉強しています。

ソーラーランタンによって、多くの人々が安心して治療や教育を受けられるようになり、感謝の気持ちでいっぱいです。今後も医療従事や学校関係者、PTAの方々の協力を得ながら、ソーラーランタンの使用状況を確認し、活用していきます。