【Voice】生活調査からわかる明かりへのニーズ。タンザニアでの取り組み

2016.01.15 Voices

アフリカで唯一パナソニックの工場があるタンザニア。人口の4分の3以上が電気のない生活を送るこの国で、明かりを届ける活動が始まっています。人々のニーズを把握すべく、現地で生活調査を進めている芝野大樹さんからのレポートです。

Hamjambo(こんにちは)!タンザニアを担当している芝野です。タンザニアには、アフリカで唯一のパナソニックの工場Panasonic Energy Tanzania(PECTZ)があり、マンガン乾電池の生産を行っています。私は、入社して2013年まで、中近東アフリカで乾電池の販売を担当していましたが、2015年からタンザニアに赴任し、ソーラー製品の販路開拓に取り組んでいます。

街と農村で一変する風景

タンザニアの電化率は24%と低く、とくに農村地域ではわずかに4%となっています(*1)。空港がある街は電気などのインフラも整っていて交通量も多いですが、車で10分も走ると情景は一変。無電化地域が広範囲に及んでいます。

こうした地域で暮らす人々に明かりを届けていくために、ソーラーランタンの寄贈とともに、ソーラーストレージの販売に向けて準備を進めています。その一環で、タンザニア西端にあるKigoma州の一般家庭を訪れ、生活調査を行いました。

生活調査から現場のニーズを拾う

今回訪問したDavidさん一家は、夫婦と5人のお子さんの7人家族で、トウモロコシや豆を栽培して生計を立てています。

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Davidさん一家と近所の子どもたち。左上が私、中央にいるのはローカル社員のTogochoさん。

Davidさんの家では、すでにカーバッテリーとソーラーパネルを直結したソーラーシステムを導入していました。懇意にしている小売店から分割払いで購入したそうで、村ではまだ少数派のようです。以前は、村人の携帯を充電するサービスを行うなどして収入の足しにしていましたが、バッテリーが劣化して使えなくなってからは、電気を使うこともできず、収入源も減ってしまったとのこと。

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使えなくなったバッテリー(左)とソーラーストレージを試すDavidさん(右)

Davidさんにソーラーストレージの特徴(長寿命、USB出力で携帯が充電可能、明るいランプを同梱)を説明し、試用していただくと、とても気に入ってくださり、「市場ではもっと安い商品も手に入るが、発売されたらぜひとも買って使用したい」とうれしいコメントをもらいました。

そのほか小売店などでも調査を行い、パナソニックの商品が、タンザニアの人々にとって魅力的な製品であるという確信を深めることができました。

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小売店での調査の様子

乾電池からソーラー製品への挑戦

タンザニアでは、1966年から乾電池を販売してきましたが、ソーラー製品の販売はまったく新しい挑戦です。田舎に住む方にまで商品を届ける販売網の構築や、簡単に購入いただけるローン販売の提供(マイクロファイナンス)など、まだまだ課題は多いですが、タンザニアの皆さんの生活が少しでも豊かになるよう、頑張っていきたいと思います。

  1. WEO 2015 Electricity access database