【Voice】先住民族の子どもたちの教育を支援:ICAN

2016.07.07 Voices

危機的状況にある子どもたちの生活改善に取り組む日本のNPO法人アイキャンからレポートが届きました。パナソニックが寄贈したソーラーランタンは、フィリピンの先住民族の村で子どもたちの教育支援のために活用されています。

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「曇りや雨の日も、黒板がよく見えます!」

こんにちは。アイキャンリージョナルディレクターの福田浩之です。
ソーラーランタンの寄贈から数カ月後に、ミンダナオ島中部のブキドノン州にあるPigpamulahan tribal schoolを訪問しました。この学校には22台のソーラーランタンを寄贈しました。

学校を訪れた日の天候は曇りでしたが、ソーラーランタンをつけていたので室内は明るく、黒板もよく見えました。「今まで雨や曇りの日は、黒板や教科書の字が読みにくいため、授業をうまく進められませんでした。今はソーラーランタンがあるので、天候に関係なく順調に授業ができます」と先生たちは喜んでいました。子どもたちの勉強への意欲も高まったそうです。

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英語の授業を見学しましたが、ソーラーランタンの明かりが文字をしっかりと照らしていて、見やすかったです。

小学3年生の女の子は、笑顔でこんな話をしてくれました。「暗い教室で勉強するのが大変で、だんだん授業についていけなくなり、学校に行かなくなった時期がありました。でも、友だちから『学校でソーラーランタンを使うようになった』と聞いて、もう一度学校に行くことにしました。今は黒板に書いてある字がよく見えるので、アルファベットの読み書きができるようになりました」

実際、ソーラーランタンを使い始めてから退学する子どもは出ておらず、出席率も上がったそうです。

入念な準備で授業内容も充実

ブキドノン州の山奥の村にある学校には、2015年6月から8月にかけてソーラーランタンを寄贈しました。当時、先生方は夜になるとまわりが暗すぎて、自宅で授業の準備ができないことに悩んでいました。

ソーラーランタンを使うようになってからは、夜でもしっかり準備の時間をとることができ、わかりやすい図表を使って生徒たちの興味に沿った授業ができるようになったと言います。その結果、生徒たちの授業態度にも変化が現れ、一生懸命話を聞きながらノートをとるようになったそうです。

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子どもたちの住む村の話を入れた授業を考えることもあるそうです。

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「将来は先生になりたい」と夢を語る子もいました。

また、村ではソーラーランタンの明かりを活用して、夜に地域の集会を開いているそうです。地域のほとんどの人々が出席しており、村のリーダーは「ソーラーランタンは子どもたちの教育と文化の復興に役立っています」と話していました。

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村の集会の様子

学ぶ意欲を高め、未来に希望をもたらす光

今回の訪問で、ソーラーランタンがしっかりと管理され、教育分野で活用されていることを見届けることができました。ソーラーランタンは今後も、子どもたちの教室を明るく照らし、同時に、心の中も希望の光でいっぱいにしてくれることでしょう。