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バングラデシュ発の藍染め・刺し子ブランドを手がけるソーシャル・エンタープライズLiving Blueに、2016年6月、ソーラーランタン100台を寄贈しました。藍産業を復活させ、農村で就業機会の創出を目指す、Living Blueの取り組みについてご紹介します。
こんにちは。Living BlueのCEO、Mishael(ミシャエル)です。
Living Blueは、職人や染色業者、インディゴ農家で構成されるNijera Cottage and Village Industriesと、国際NGO団体CAREのベンチャーCARE Enterpriseの協力の下誕生した、バングラデシュ発の藍染め・刺し子ブランドです。
バングラデシュの藍は、Indigofera Tinctoria"True Bengal"といわれ、美しい発色と繊維への高い定着率が評判で、19世紀には重要な産業として栄えていました。しかし、英国の植民地化以降、搾取の手段として利用されたほか、化学染料の発明と普及などにより、この100年以上、ほとんど栽培されることがありませんでした。
そこで、藍産業を復活させるべく、生まれたのが「Living Blue」です。古くから伝わる本藍染めや「Khetas(ケータス)」とよばれる刺し子刺繍の技法を掘り起こし、そこに日本の縫い絞りや板締め、筒染めなどを研究して融合することで、古くて新しい、オリジナルの藍染が誕生しました。生産には、5つの村で200人以上の女性が職人や縫い子、刺し子として関わっています。地方の人々が、生まれ育った土地で、都会に出稼ぎに行く以上の収入を得て暮らしていけるよう、就業機会を創出することも私たちの目標のひとつです。
Living Blueの生産過程では、職人の親方や生産管理者からなる品質保証チームにより納期と品質が徹底的にコントロールされています。また、村ごとに組織されたグループのリーダーが、メンバーのスキル別に仕事を割り当て、技術に応じて適正な報酬が支払われる仕組みが確立されています。
隣人が助け合って暮らす村の生活
Living Blueで働く女性たちはみな、仕事熱心です。日が暮れた後も、染めや刺繍の作業など、できるだけ長く仕事をしたいと考える人が多いです。しかし、この辺りは電気事情が悪く、作業場を照らす明かりもないため、夜になると真っ暗になり作業を中断しなければなりませんでした。
寄贈いただいたソーラーランタンは作業場などに置かれ、作業する女性たちの手元を明るく照らしてくれています。また、村の子どもたちが夕方にも学習できるよう、学校でも利用されています。
村の人々が紡ぐLiving Blueの取り組みは、仕事や刺激を求めて都会に出て行ってしまった人たちが、村での暮らしを見直すきっかけにもなっているようです。女性たちを照らす明かりが、地元で生きる誇りをも照らしているかのようです。