2019.07.18Voices
【Voice】フィリピン:教育・医療の現場を支える明かり
2016.12.08 Voices
ルソン島タルラック州のキャパスに住む先住民族のコミュニティで、健康、貧困、教育分野の問題解決に取り組んでいるHealth and Dev't for All Foundation(万人のための保健開発財団)から報告が届きました。ソーラーランタンは、電気がなかった集落に大きな変化をもたらしています。
こんにちは、Health and Dev't for All FoundationのBrenda B. Furaggananです。今回私たちがソーラーランタンの配布先に選んだのは、タルラック州キャパスにあるシティオ・ブラカンという45世帯、136人が暮らす小さな集落です。この集落には電気が通っておらず、病院もありません。住人は木の実の採集や家畜の世話をすることで収入を得ていますが、それだけでは足りず、近隣の町に働きに出る人もいます。
集落には学校がないため、子どもたちは4km先のバランガイ(村)まで歩いて通っています。当然街灯もないため、日が落ちると外は真っ暗闇になります。そのため、夕暮れ後は学校からの帰宅も、家から共用トイレや水汲み場に行くのも困難です。
夜になると、9割の家庭で灯油ランプを使っています。でも、灯油ランプは長時間使うと身体に悪いため、煙などによる健康被害が多数、報告されていました。
ソーラーランタンは、そうした健康に不安を抱える家庭に配布されました。また、水汲み場や公衆トイレ、ヤギの放牧場などでも使用され、健康面だけでなく、経済、教育、治安など、あらゆる面において素晴らしい効果をもたらしています。
「灯油ランプの煙を吸わなくなったので、家族が咳をしなくなりました」と話すのは、集落で活動する保健ボランティアのErlinda Espinosaさん。ソーラーランタンを使い始めた家庭の約半分が、咳や煙によるアレルギー、肺の不調、目の炎症、呼吸がしにくい、などの問題が減ったと答えています。
灯油ランプの燃料やろうそくに使っていたお金を節約できるようになりました。また、ソーラーランタンの充電機能のおかげで、携帯電話の充電代を食費、教育費などに回し、よりよい生活が送れるようになったそうです。
学齢期の子どもを持つ4家族に聞いたところ、ソーラーランタンを子どもたちに優先的に使わせている、とのことでした。十分な明るさがあり、火事や健康被害への心配もないので、子どもたちは今までよりも1時間長く勉強するようになったそうです。学校の先生からも、ソーラーランタンを使い始めた生徒の学力が上がったと報告を受けています。
学力が向上すると、大学などの高等教育に進んで、将来、よりよい仕事に就ける可能性が高くなります。これは、生活レベルの向上や地域の発展につながるので、本人だけでなく家族、地域にとっても喜ばしいことです。
ソーラーランタンは、ブラカンの人々の暮らしに大きな変化をもたらしてくれました。今後も住民の経済的自立や子どもたちの勉強を後押しし、集落の発展への大きな手助けとなるでしょう。本当にありがとうございました!