【Voice】カンボジア:夜の補習塾が子どもたちに学ぶ喜びを取り戻す

2017.01.31 Voices

世界の子どもを支援する国際NGOワールド・ビジョンのカンボジア事務所からレポートが届きました。カンボジアは都市部で電化が進んでいるものの、農村部の半分近くは、いまだ電気が通っていません。ソーラーランタンは、授業についていけなくなった子どもを支える補習塾の大きな助けとなっています。

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こんにちは。ワールド・ビジョンのカンボジア事務所のSokhim Phatです。私たちは、2016年3月にパナソニックの皆様から寄贈いただいたソーラーランタンを、カンボジアの5つの州の14県に配布し、主に無電化地域に住む子どもたちの教育支援に役立てています。

ワールド・ビジョンが支援活動を続けているタケオ州は首都プノンペンの南に位置し、ベトナムと国境を接しています。電気が通っていない地域が多く、2010年の時点で電化率は64%となっています。

今回は、子どもの教育支援の現場でソーラーランタンが活用されているTrapeang Tonle村の事例をお伝えします。

子どもたちの学ぶ意欲を取り戻すために

村に住むNIN Noeunさん(34歳)は、ワールド・ビジョンの活動を支援するメンバーの一員として、学校で子どもたちの学びを支援しています。Noeunさんは、ある時、授業中の発言が少なく、勉強にも消極的な子どもたちの存在に気づきました。

理由を探ってみると、授業についていけなくなってしまったことが原因のようです。そこでNoeunさんは、こうした子どもを集め、学校が終わった後、17時から18時まで補習塾を開講し、勉強をサポートすることにしました。ところが、この時間はちょうど日暮れ時にあたります。すぐに暗くなってしまうため、1時間フルに授業を続けることが困難でした。

4台のソーラーランタンが、大きな助けに

「授業を続けて子どもたちの学ぶ意欲を取り戻したい」

Noeunさんからの切実な声を受け、私たちはパナソニックのソーラーランタンを4台、補習塾に配布しました。「おかげさまで、毎日暗くなってからも、クメール語と算数を教えることができています。現在の生徒数は25人。休み時間は、ワールド・ビジョンからいただいた教材を使ったり、本を読んだりして過ごしています。みんなの勉強の手助けができてとても嬉しいです」とNoeunさんは喜んでいます。

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補習塾で子どもたちに教えるNIN Noeunさん

10歳の女の子、Sophanmayちゃんは「私は友達のように読み書きができませんでした。そんな自分が恥ずかしくて、学校に行きたくなかった」と以前の自分について話してくれました。「でもNoeun先生に励まされて、学校でも家でもたくさん勉強したので、今は読み書きができるようになりました。今月は、クラスの42人の中で6番の成績でした。来月は5番になるとお母さんに約束しています」と笑顔を見せてくれました。

補習塾を拡大し、他の地域にも広めたい

Noeunさんは、こんな夢を持っています。

「自治体などにも働きかけて、この補習塾を大きくし、もっとたくさんの子どもが来られるようにしたいです。小さな図書室と教材を置く場所も作りたい。他の地域でも、ソーラーランタンさえあれば、夜の補習塾を開講して子どもたちをサポートできると思います。ソーラーランタンを寄贈してくださったパナソニックの皆様とワールド・ビジョンには本当に感謝しています」

ソーラーランタンの明かりは、村の子どもたちに、勉強がわかる喜び、学ぶ楽しさをもたらす大きな助けになっています。私たちワールド・ビジョンとパナソニックのチームワークで、未来を担う子どもたちの勉強を支えることができ、嬉しく思います。これからも、一緒にサポートしていきましょう。