【Voice】フィリピン:明かりが小学生の読む力を高める

2017.03.31 Voices

フィリピンで子どもの教育支援に取り組んでいるシネルジェイア財団から、配布地の様子を伝えるレポートが届きました。ソーラーランタンは無電化地域にある小学校で、子どもたちの読解力向上に活用されています。

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子どもたちの読む力を育てる放課後授業

パナソニックの皆様、こんにちは。シネルジェイア財団のFlorendo L. Guevara です。 私たちはフィリピン政府と協力しながら、子どもたちの教育支援をしています。特に力を入れているのは、イスラム教徒の自治区域(ムスリム・ミンダナオ自治地域/ARMM)の子どもたちです。この地域の小学生は教育面での遅れが大きく、読解力の低さが問題になっています。

2015年度にパナソニックさんから寄贈いただいたソーラーランタンは、この自治区域にあるラナオデルス州のバリンドン町とピアガポ町に届けられました。主に地域のラーニングセンターと小学校に配布され、読むことが苦手な生徒のために開かれる放課後の授業で使用されています。

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ピアガポ町のBobo小学校にて、放課後の授業で学ぶ生徒たち。

ソーラーランタンを最大限活用し、夏期講座を開催

Inventory(PIRI)が2016年7月におこなった調査によると、今回配布した2つの町の小学生(合計2188人)のうち、1人で読書ができる子どもの数はたったの20%で、誰かに教えてもらいながらなら読める子どもが36%、読むのが困難な子どもが40%、全く読めない子ども4%いました。子どもが読む力をつけられない理由の1つが、学校に電気がなく、教室の明かりの環境が悪いことでした。

そこで、バリンドン町にある39校、ピアガポ町にある28校の公立小学校の中から、PIRIの調査結果と電気の有無に基づいて、2つの町の教育委員会と一緒に選考を行い、配布先の学校を決定しました。

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バリンドン町の町長(左から二番目)と教育委員会にソーラーランタンを寄贈しました。

各学校では、ソーラーランタンを活用して小学1~6年生に読解力をつける夏期講座を開催。夏期講座には約1000人が参加し、読む力を伸ばしました。

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夏期講座には生徒の親や兄弟姉妹も参加し、皆で楽しく勉強しました。

1人で読書ができる子どもを増やすために

教室やラーニングセンターでソーラーランタンを使うようになってからの効果は絶大だそうです。文字を読めなかった子どもの数が数ヵ月で減り、1人で読書できる子どもが増えました。今後、私たちは教育委員会と共にソーラーランタンを使っている学校で読む力がどれだけ向上していくか、PIRIの調査結果を出発点として、定期的に調査を進めていく予定です。

子どもたちの読む力を高めることは、地域の学力向上につながります。ソーラーランタンは子どもたちの学びの場になくてはならない存在となっています。

Sukran, Panasonic!
(パナソニックのみなさん、ありがとう!)