【Voice】寄贈団体からの便り〜ジャパンハート〜

2014.05.30 Voices

ミャンマーの寄贈先の1つで、医療支援を行っている認定NPO法人ジャパンハート様から、コンパクトソーラーライトとソーラーランタンの活用レポートが届きました。(2014年3月)

パナソニックの皆さま。

こんにちは。ジャパンハートヤンゴン事務局の檜垣章代です。

コンパクトソーラーライトとソーラーランタンを寄贈いただきありがとうございました。寄贈いただいた明かりは、ミャンマーの人々の明日の暮らしを支える活動に大変役立っています。活用の様子をご紹介します。

シンプルさと柔らかな光で活躍する「コンパクトソーラーライト」

本体のみで充電できるというシンプルさとソーラーランタンより柔らかい光を出力するという点から、以下の2つの場所で使用しています。

1. ワッチェ慈善病院

看護師の夜の処置では、ソーラーランタンを使用していますが、昼の処置では、手軽に使えるコンパクトソーラーライトを使用しています。

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手術後の傷を診察中。

夜の病棟では、廊下以外の電気は切るため、見回りには明かりが必要です。その際、懐中電灯やソーラーランタンのような強い光ではないコンパクトソーラーライトを首から下げるように工夫して使っており、非常に便利です。また手軽に充電ができ、かつ場所を取らないので、ロッカールームに常備して急な停電に備えています。

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一番暗い光で夜の見回りを行っています。

2.ミッチーナ総合病院

カチン州のミッチーナ総合病院でも昨年から定期的に手術ミッションを行っています。停電が頻発する地域なので、病院内での処置および医療用器具の倉庫で使用しています。

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必要最低限のスタッフで手術ミッションを行うため、患者さんの家族も診察の手伝いをしてくれます(左)。処置の準備では、手元を照らすために使用しています(右)。

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倉庫部屋には電気がないため、在庫管理等の作業をする場合にコンパクトソーラーライトを使っています(左)。夜になると真っ暗になるため、ここでは必要不可欠なアイテムです(右)。

スタッフの宿舎と水浴び場とトイレの道、水浴び場にはいまだ電燈がないため、こちらでもコンパクトソーラーライトが大活躍です。

手術後の傷口診療や勉強に活躍する明るい「ソーラーランタン」

寄贈後3ヶ月が経ち、ジャパンハートでは現在、4カ所で使用しています。

1. ワッチェ慈善病院

停電時、真っ暗な病棟で患者さんの手術後の傷口を見て回る際に、明るい光が必要なため、ソーラーランタンを使用しています。また、コンパクトソーラーライトにはなかった自立できる設計になっているので、一人で見回る際もランタンをベッドの上に置き、両手が使えるので便利です。

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停電時の手術後の傷口診療にソーラーランタンを利用しています。

また病院から新しいスタッフ宿舎までは電灯がなく、真っ暗な道なので看護師はソーラーランタンを持って帰り、夜勤の看護師が病院への道中に使用しています。

2. Dream Train

子どもたちを人身売買から守り、未来を育む養育施設Dream Trainがあるヤンゴン市内でも、数年前より数は減ったものの、まだ時々停電があります。ソーラーランタンは机の上に置いて、角度も調整できるので子どもたちの勉強にも非常に役に立っています。

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勉強時に活躍するソーラーランタン

3. サイクロン孤児支援

ジャパンハートではヤンゴン管区クンヤンゴンで、サイクロンナルギスで孤児になった子どもたち(現在40人)の里親支援を始めて5年になります。

昨年度は難関といわれる大学受験で物理学専攻の学生が1名誕生し、今年も3月に2名が受験をするなど成績優秀者もいますが、頻発する停電で勉強時間の確保が課題になっています。そこで25家族に1年更新でソーラーランタンの貸与を開始しました。大学卒業もしくは、高校卒業をした時に返還してもらい、次の学年の子どもに貸与していく予定です。

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契約書にサインをする保護者(左)と貸与のセレモニー(右)

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子どもたちにも責任感を持ってもらうよう、「充電や管理は自分でしましょう」と呼びかけました。

4. ヤンゴン事務局

2月に入り、3月の夏に向けて毎日数時間は停電が起こるようになりました。ヤンゴンですらインフラはまだまだ脆弱です。夜の停電ではソーラーランタンを使用しており、スタッフも非常に助けられています。

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停電で滞っていた作業も行えるようになり、業務効率が落ちることなく活動を続けられています。

またジャパンハートを通して奨学生を古くから支援していただいている団体が、ソーラーランタンの存在を知り、10台を購入して奨学生に寄贈いただけるとのことです。

引き続き、コンパクトソーラーライト、ソーラーランタン共に活用して参ります。