【Voice】フィリピン:ソーラーランタンが地域住民や教師の希望のあかりに

2019.01.07 Voices

2015年度から2017年度に寄贈したフィリピンの2つの団体からレポートが届きました。ソーラーランタンが、人々の暮らしにどのような影響を与えているのでしょうか。寄贈後の暮らしの変化についてお聞きしました。

「ソーラーランタンが、地域の絆を深めています」

1978年に設立されたダバオ医科大学財団一次医療協会は、「遠隔地の医療・健康問題を解決するためには、まず、その地域の貧困や社会問題の解決に取り組まなければならない」という考えのもと、主にミンダナオ島・ダバオ地方で活動を続けています。

ソーラーランタン寄贈先での一番の変化は、夜、人々が近所の人と語り合ったり、話し合いのためにコミュニティセンターに集まったりするようになったことです。これにより、地域の結束が強まり、問題解決に向けた話し合いがおこなわれるようになりました。

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コミュニティセンターでの夜の集会の様子。

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地域の集会所にもソーラーランタンを設置。子どもたちが宿題をしに来ています。

貧しい地域の子どもたちの学力が向上

フィリピンで教育支援をおこなっているコンラッド・ラディスラワ・アルカンタラ財団が特に力を入れているのは、フィリピンで貧困率が高い州の1つである、ミンダナオ島サランガニ州での支援です。寄贈先である無電化地域の学校では、日が暮れると真っ暗になるため先生も生徒も十分に仕事や勉強ができませんでした。

ソーラーランタンを使うようになってからは、人々の生活が一変。夜も十分な明かりのもとで仕事ができるようになり、先生たちは前の晩に授業の準備を終えられるようになりました。また、放課後にはソーラーランタンを設置した教室で、勉強についていけない生徒の補習を行うことができるようになり、生徒全員の学力が向上しました。それによって、教師たちの教えるモチベーションもあがり、無電化地域でも質の高い教育を受けられるようになりました。

先生方は「ソーラーランタンを使い始める前は暗い中で仕事をしなければならず大変でした。パナソニックのみなさま、ありがとうございます」と口々に述べています。

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次の日の授業の準備をする先生たち。

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寄贈先のDatal Basak小学校の読み書きの補習授業。

フィリピンの貧困問題を少しずつ解決していきたい

フィリピンでは、裕福層と貧困層の人々の経済状況や生活水準に大きな差があります。貧しさゆえに子どもに教育を受けさせることができず、その結果、貧困から抜け出せないという悪循環に陥っています。また、電気に関しても、貧しい人々が暮らす遠隔地ほど無電化地域が多く、適切な教育や保健サービスを受けられない状況がいまだ見受けられます。

あかりの存在は、着実に、地域に変化をもたらしています。
今後もソーラーランタンのあかりによって、貧困に苦しむ人々の状況が少しでも良くなっていくことを願っています。