【Voice】カメルーン:電化率が低い最北州の農村部で活躍するソーラーランタン

2019.02.19 Voices

2017年、パナソニックは国連開発計画(UNDP)を通じて、カメルーンにソーラーランタンを寄贈しました。現地事務所から届いたレポートを紹介します。

こんにちは、国連開発計画(UNDP)カメルーン事務所の金野裕子です。

中部アフリカにあるカメルーンは、1960年の独立以来、紛争が散発する近隣国の中では政治的な安定を保っている国です。しかし、近年経済格差が拡大しており、電化率も都市部は96%であるのに対し、農村部は23%にとどまっています。

私たちは2017年、カメルーンの中でも、特に貧困率・失業率が高い極北州のロゴンヌ・ビルニ地区にある小学校や職業訓練学校、保健センターに、ソーラーランタンを届けました。

※過去記事:カメルーン、ガイアナ、ナイジェリアへ初の寄贈が実現

人々の生活にうまれた「3つの余裕」

ソーラーランタンを使い始める前、人々は薪やオイルを使ったランプやロウソクをあかりとして使い、常に火事の恐怖にさらされていました。また、限られた活動時間の中で薪拾いをしたり、経済的に余裕のない中で燃料代を捻出したりしなければならず、ゆとりのない生活を送っていました。

ところが、ソーラーランタンを使い始めたことで、現地の人々に「3つの余裕」ができました。1つめは、燃料代を節約できたことでうまれたお金の余裕、2つめは、燃料の薪を拾う必要がなくなったことでうまれた時間の余裕。そして3つめは、火事の恐れがなくなったことでうまれた心の余裕です。ソーラーランタンによって、人々の生活の質は大きく向上しました。

保健センターでは、夜にあかりを使えるようになったことで、よりよいケアができるようになり、特に、診察のために無電化地域を訪問する際には大変役立っているそうです。

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ロゴンヌ・ビルニ地区の保健センターの受付です。あかりがなければ真っ暗になってしまいます。

また、ソーラーランタンは、学校の先生たちの授業の準備、子どもたちの勉強の際にも活用されています。ある先生は、「ソーラーランタンのおかげで、夜でも楽に授業の準備ができるようになって、より質の高い授業ができるようになりました」と嬉しそうに話していました。

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ロゴンヌ・ビルニ地区の農業系の職業訓練校の生徒たち。授業の復習をしています。

今後も現地調査を続け、人々の生活の変化を報告していきたいと思います。本当にありがとうございました。