【Voice】寄贈団体からの便り〜Life With Dignity〜

2014.08.15 Voices

カンボジアの寄贈先団体の1つで、農村に暮らす貧困層の生活改善に取り組むLife With Dignity様から、ソーラーランタンの活用レポートが届きました。

パナソニックのみなさまへ

こんにちは。Life With Dignity(LWD)広報担当のLeak Ratnaです。

ソーラーランタンを寄贈いただいてから、半年が経ちました。ソーラーランタンは、村の保健支援グループ、学校、コミュニティ学習センターなどの施設のほか、電気へのアクセスのない貧しい農村部の貧困家庭への配布で活用させていただいております。

保健や教育の現場で役立っているソーラーランタン

ソーラーランタンは、農村部の中でも大切な役割を担っている団体や、貧困家庭などに配布されました。

・村の保健支援グループでの活用

村の保健支援グループでは、村人への保健教育や、夜間の緊急診療などでソーラーランタンが使用されています。

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配布前には使用方法やルールについてのオリエンテーションを実施しています。

・コミュニティ学習センターでの活用

コミュニティ学習センターでは、夜に開催される読書クラスで、また、教師が授業の準備をする際にソーラーランタンが利用されています。

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Trapaing Angkrong村の子どもたちは、夜、ソーラーランタンの下に集まって本を読んでいます。

・一般家庭での活用

今回、パナソニックさんと相談のもと、貧困家庭への配布を行わせていただきました。片親で子どもが3人以上いる家庭という基準を明確にし、配布によってコミュ二ティ内に不和や紛争が起きないよう配慮しました。また、ソーラーランタンが適切に使われるように、配布先家庭との間に覚書を交わしています。
各家庭では、夜、子どもたちの宿題や夕食の調理、夜間の家庭菜園での作業などに使われています。

「明るくて便利なソーラーランタン。素敵な贈り物をありがとう」

配布先家庭のひとつ、Iem Sokhornさんの家では、子どもたちの勉強や夕食時、夜、外にあるトイレに行き来するとき、早朝まだ暗い中で朝食の準備をするときなど、生活のあらゆるシーンでソーラーランタンが使われています。

Iemさん一家は、2013年1月にコンポンチュナン州から、LWDが提供する土地に引っ越してきました。3人いる娘さんたちは、引っ越し後はしばらく学校に通えなかったのですが、今年1月から通学を再開。「ソーラーランタンの明かりのおかげで勉強ができる」と大変喜んでいます。

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Im Channaちゃん(13歳)と妹のIm Channyちゃん(10歳)は明るいソーラーランタンのもとで授業の復習をしています。

以前は、Iemさんの頭にライトを巻いて明かりを照らしていましたが、明るさは十分でありませんでした。そのうえ、大きい電池が3本も必要で、電池代が2週間で800リエル(約20円)もかかっていました。そのため、長時間は使えず、子どもたちが勉強できるのは1日わずか30分程度でした。

しかし、現在はソーラーランタンを日中に充電し、毎晩6時から8時まで明かりとして使用しています。長女のIm Channaちゃんは、妹たちと毎晩、以前より1時間も長く勉強ができるようになりました。

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「ソーラーランタンは本当に明るいんだよ。この明かりの下でなら、読んだり書いたりしやすいし、集中して勉強ができるの」(Im Channaちゃん:写真右から2番目)
「ソーラーランタンはとても便利です。こんなにすてきな贈り物をくださったパナソニックとLWDに深く感謝しています」(Iemさん:写真左)

燃料費が減り、家庭の経済的負担も軽減

寄贈から4ヶ月がたち、ソーラーランタンの使用状況について59名にインタビュー調査を行いました。各家庭では、それまで利用していたバッテリーの充電代やケロシンランプの燃料代が削減され、一月あたり8000〜45000リエル(約200〜1100円)ほどの節約になっているようです。

また、ケロシンランプを使わなくなったことで室内環境がよくなり、健康状態の改善にもつながっています。
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各家庭では、夕方から夜にかけて1〜3時間ほどソーラーランタンがつけられ、家での宿題や夕飯の準備に使われています。

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食事を明るく照らすソーラーランタン

取り扱いが簡単なので、配布を受けた人たちの満足度は非常に高く、価格が見合えば購入したいという声もあるほどです。

LWDでは、引き続き、ソーラーランタンがもたらした利点や住民の暮らしへの影響、活用のようすを定期的に評価してまいります。