【Voice】インドネシア:支援が届きにくい地域に届いた「あかり」という宝物

2018.11.26 Voices

インドネシアの寄贈先団体であるコペルニクより、3回目のモニタリング調査結果が届きました。現地の声とともにお届けします。

こんにちは。コペルニクのTungga Putriです。

コペルニクは「ラストマイル」と呼ばれる、途上国で最も支援が届きにくい地域の人々に、革新的なテクノロジーや製品を届ける活動をしています。インドネシアでは、無電化または電化状況が不安定な村が1万村以上あります。そうした村を支えるために、2014年2015年に、パナソニックより合計2000台以上のソーラーランタンが寄贈されました。

私たちは2017年12月に、3回目のモニタリング調査を東スンバおよび南中央ティモールの診療所で行いました。その調査結果をレポートします。

満足度は100%! 最も評価が高いのが「明るさ」

調査対象は、東スンバ、南中央ティモールの123の診療所の中から、電気の有無や大都市からの移動時間などを考慮したうえ、10カ所をランダムに選定。診療所のスタッフにインタビューしました。

まず、全体的な満足度については、「とても満足している」が40%、「満足している」が60%という結果に。ソーラーランタンの使いやすさを「明るさ」「耐久性」「点灯時間」「充電の速さ」という項目別に5段階で評価してもらったところ、最も評価が高かったのが「明るさ」で4.0ポイント、次点が「耐久性」で3.9ポイントでした。

201811_indonesia_1.png

今も、全体の80%が、毎日ソーラーランタンを使用しています。

皆が健康になり、仕事の生産性も向上

健康面でも良い影響がもたらされています。以前は灯油ランプを使用していた診療所が多く、呼吸器や目への影響が心配されていました。ソーラーランタンを使い始めてから健康や安全性のリスクがどれだけ減ったか「視力」「頭痛」「疲労」「呼吸器不調」「目への刺激」の項目で聞いてみたところ、呼吸器不調、視力、目への刺激が最も改善されたことがわかりました。

また、ソーラーランタンの使用により、90%の診療所で光熱費が大幅に削減でき、すべての診療所で初期診療支援や夜間見回り、報告書の作成など、夜間の活動が増え、生産性が上がっています。

診療所で働く助産婦の声

201811_indonesia_2.png

「夜間の患者の多くは妊婦で、ほとんどの人が出産間近もしくは既に破水している状態で診療所に来院します。ディーゼル発電機は発電まで時間がかかるので、緊急時は使えません。発電の燃料がなくなっていることもよくあります。燃料なしで緊急時にすぐ使えるソーラーランタンは、私たちにとって宝物です」

201811_indonesia_3.png

「ある日、夜勤中に交通事故で急患が運びこまれた時、停電中で、ロウソクも照明もありませんでした。でも、夜はいつもソーラーランタンを持ち歩いていたので、そのあかりを使いながら傷を洗い縫合することができました」

ソーラーランタンと使用者の「これから」につながる調査を

今回の調査で、ソーラーランタンが村の診療所に大いに活用されていることが分かりました。次回の調査は2018年12月に実施し、2019年1月中旬までに最終報告書を提出する予定です。村人たちがソーラーランタンを活用していくことが、地域の発展につながります。今後も、人々の「これから」につながる調査を続けていきます。