【Voice】ソーラーランタンが変化の源に〜ラオス、フィリピン、リベリア〜

2020.02.06 Voices

2017年度にラオス、フィリピン、リベリアの無電化地域に届けられたソーラーランタンは、教育、保健医療、地域など、さまざまな場面で活用されています。その一部について、寄贈後2年目に届いた報告書の中から、現場の声と写真を抜粋してお届けします。

●ラオス

ラオスで活動する認定NPO法人アジア教育友好協会(AEFA)に寄贈されたソーラーランタンは、サラワン県タオイ郡・サムアイ郡・サラワン郡にある小・中・高校20校と、タオイ郡・サムアイ郡の10の診療所に配布されました。

サラワン県サムアイ郡ラロ村のNeuaさんは、こんなことを語ってくれました。

「ソーラーランタンが配布されるまでは、暗くなる前に田畑から家に帰らないと、真っ暗で食事を作ることができませんでした。今は、その日の作業を終えてから帰宅しても、ソーラーランタンのあかりのもと、安心して料理ができるようになりました。夜、子どもたちが勉強や読書をするときにも、ソーラーランタンが役立っています」

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家の外は真っ暗ですが、ソーラーランタンのあかりで料理や食事の手元が見えるようになりました

AEFAの現地パートナーであるNGOのACD代表Dr.Boualaphet Chounthavongさんは、ラロ村を「ACDのプロジェクト対象村の中でも最僻地」だと教えてくれました。「ここでは母子健康、出産環境や低栄養の改善などのプロジェクトをおこなっています。プロジェクトについての話し合いも、ランタンのおかげで暗くなってからでも続けられるようになり、村人の団結力が高まり、地域力の向上につながっています」

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話し合いの様子。時間を気にせず、じっくりと腰を据えて意見を交わせるようになりました

また2019年9月、サラワン県に大きな洪水が起き、停電が続いた時は、診療所や学校でランタンが非常に役に立った、と教えてくれました。

●フィリピン

フィリピンでは、特殊教育拠点センター財団(Stepping Stone)を通じて、レイテ州、オリエンタルミンドロ州、北サマール州の無電化地域で貧しい生活を送っている家庭にソーラーランタンを配布しました。子どもたちは、夜や雨の日は灯油ランプのあかりのもとで勉強していたのですが、とても見えにくいため集中力が続かず、他の地域に比べて学力が劣っていました。

ソーラーランタンを使い始めてからは、暗くなってからも、明るく安全な環境で学習できるようになりました。さらに、学校にソーラーランタンを持参して、室内が暗い時に使うことで、授業にも集中して取り組めるようになりました。地域の職員や保護者たちは、子どもたちの学力向上に期待を寄せています。

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ソーラーランタン寄贈時の様子

●リベリア

リベリアのVillage Improvement Projectを通じて寄贈されたソーラーランタンは、農村部の教師や看護師、助産師のほか、エボラ出血熱などで親をなくした孤児たちのサポートセンターに配布され活用されています。

【過去記事】
アフリカ4ヵ国への寄贈:電化率の低い国々に届いた明かり

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エボラ出血熱などで親をなくし、孤児となった子どもたち。勉強中、ソーラーランタンのあかりが手元をしっかり照らしています

ボミ郡のテネガー・コミュニティ・クリニックの事務局長Krubo Davisさんは、「私たちは、村の伝統的な助産師に、産気づいた妊婦さんをクリニックに連れてくるように伝えています。クリニックには、夜中に3~4時間歩いて、助産師と妊婦さんが来ることもあります。ソーラーランタンがない時は、助産師が道の途中でヘビにかまれたこともありました。今はランタンのあかりで道を照らせるので、ヘビの危険を回避できるようになりました。本当にありがとうございました」と、ソーラーランタンが非常に有用だと語りました。