2019.03.30Field Report
「みんなで"AKARI"アクション」に参加して。海外ボランティア特派員レポート
2013.11.07 Field Report
9月上旬に行ったミャンマー視察の様子を報告します。寺子屋支援の活動を行なうパートナー団体「NPO法人メコン総合研究所」の案内で、新型ソーラーランタンのテストを目的に農村部の寺子屋を訪ねました。
こんにちは。CSR・社会文化グループの星 亮です。
パナソニックでは2013年2月、ミャンマーで活動している4つのパートナー団体に、合計3000台のコンパクトソーラーライトを寄贈しました。
今回の視察の目的は、今年12月に発売予定の新型ソーラーランタンを試験的に現地で使ってもらい、意見や感想を聞くこと。寺子屋支援をしているNPO法人メコン総合研究所(GMI)の活動地域に向かいました。
ミャンマーは、近年まで軍事政権が続いていた国です。民主化の進展に伴って急速な経済成長を続け、電気インフラの整備も少しずつ進んでいます。しかし生活水準が低い人たちがまだ多く、無電化地域もかなりある、というのが実状です。
今回で3回目の訪問を通して、私がミャンマーにもった印象は、貧しいけれど豊かだということ。
たとえば以前、カンボジアを訪問した際には、乾季だったこともありますが、土が乾いていて畑ができず、見た目にも殺伐としていました。
一方ミャンマーには、ものすごく美しい田園風景が広がっていました。一面に青々とした田んぼが広がっていて、ところどころに森があり、家が点在しています。緑があって、魚は捕れて、米もあるから、たとえ貧しくても飢えるということはありません。
それに加えて、寺子屋のおかげで、貧しくても教育が受けられ、読み書きや計算ができます。また、宗教教育がしっかりしていて、道徳面の教えが行き届いています。
ミャンマーの暮らしは、貧しさがある一方でどこか豊かなところもあるように見受けられました。
※ミャンマーにおける寺子屋の状況については、GMI副所長の岩城さんとの対談記事をご覧ください。
ところが、無電化地域で暮らす家庭を訪問して実際の暮らしぶりを見せてもらうと、現実はより厳しいものでした。
訪れたのは、ヤンゴン管区内のデルタ地帯のとある村です。ヤンゴン市内からでこぼこ道を車で約3時間かけて向かうのですが、じつは道路が開通したのはつい最近のこと。それまではなんと、小船に乗って水路でヤンゴンとの行き来をしていたそうです。
立ち寄ったのは、村の入口に近い無電化地域に住む家庭。
彼らは小作人で、地主さんのもとで農作業をしてわずかな収入を得ています。子どもたちは公立学校に通う余裕がないため、お金のかからない寺子屋に通っています。家の中では豚を飼っていて、衛生面はとても良いとは言えない状態。昼間でも室内に光はあまり入らず、ケロシンランプを使って生活しています。
人々の暮らしぶりを目の当たりにし、ソーラーランタンを通じて現地の生活向上に少しでも貢献したいとの思いを強くしました。
今回の視察の目的である新型ソーラーランタンのテストのため、村にある寺子屋を訪ねました。この寺子屋の生徒数は約280名。GMI顧問の現首相夫人・安倍昭恵さんが寄贈した校舎もありました。
寺子屋には電気が通っていますが、停電が多く、校舎が広くて天井が高いため、少ない照明では明かりが充分に行き届きません。晴れの日の昼間でも室内は暗いので、手元を照らすライトの存在は重要です。
今回は新型ソーラーランタンを使って、実際に授業をおこなっていただきました。新型ソーラーランタンは、天井から吊り下げて利用できること、360度照射で全方向を照らせることなど、利用者の声を反映したさまざまな改良がなされています。
視察2日目は雷雨でした。寺子屋の窓はガラスが入っておらず、雨がひどいときには、木の板で閉めざるをえません。すると室内は真っ暗になります。
そこで新型ソーラーランタンを3つ、天井から吊り下げてみたところ、大きな勉強机全体をしっかり照らすことができました。手元がかなり明るくなり、勉強がはかどりそうということでした。
新型ソーラーランタンは、過去にはない100ルクスという明るさを達成しています。実際に現地でテストをしてみて、今回改良された機能がどれも、現地で求められているものであることを改めて実感しました。
現地のニーズにしっかり応えた新型ソーラーランタンを、本当に必要としている人たちに届け、現地の生活向上につなげていきたいと、決意を新たにしました。
※ここでご紹介しているソーラーランタンBG-BL03は国内では販売しておりません。